2021.08.10 フィリピン人採用外国人採用ノウハウ
外国人の雇用を考える時、まず何から始めればいいの?
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少子高齢化による人手不足が進む中、外国人雇用に取り組む企業が増えています。
今までは、外国人雇用について考えることはなかった企業でも、外国人の受け入れが年々進んでいることから、外国人雇用を視野に入れはじめているのではないかと思います。はじめて外国人雇用を考え始めた経営者や担当者の中には、
「外国人雇用を考えているが、最初に何をしたらいいか分からない」
「どんな手順で外国人を雇用するの?」
「外国人雇用で重要なポイントは?」
と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、外国人雇用を考えている経営者や人事担当者へ向けて、外国人雇用を考えるときに何から始めればいいかを徹底解説。外国人雇用を考える上で重要なポイントや、入社後に行うべき手続きについても解説しており、この記事を読むと、外国人雇用の手順と、外国人雇用を考える上で事前にやるべきことが分かります。
外国人雇用についてのメリット・デメリット、注意点について知りたい方は、是非こちらもご確認下さい。
外国人労働者を受け入れるメリットとデメリット、注意点を徹底解説!
それでは、外国人の雇用を考える上でやるべきことについてみていきましょう。
外国人の雇用を考える上でまずやるべきこと
外国人雇用を考える時、まず初めに事前にやらなければいけないことは、「目的を明確にする」「社内への周知」「キャリアパスの明確化」です。
目的を明確にする
外国人雇用をする際に最も重要なポイントは、「なぜ外国人を雇用するのか?」という目的を明確にすることです。
ただ「人件費を落としたいから」「日本人みたいに文句を言わなそうだから」といった漠然とした理由では、定着はおろか、想像していた人材の雇用すらできずに終わってしまう可能性もあります。
「なぜ外国人を雇用するのか?」という目的を具体的に考え、目的に必要な在留資格・日本語能力・職務経験・学歴・雇用期間・業務内容・賃金について基準を明確にすることで、適切な人材にリーチすることができます。
まずは、目的を明確にすることで、必要な人材を見つけ、長期的な人材の確保に繋げましょう。
社内に周知する
次に重要なポイントが「社内への周知」です。
外国人と日本人では、住んでいる国が異なれば、話す言語や文化も異なります。日本という島国で暮らしている日本人にとって、外国の言語や文化の違いを受け入れるには時間がかかる可能性があるため、あらかじめ社内へ周知しておくようにしましょう。
キャリアパスを明確にする
外国人労働者に限ったことではありませんが、キャリアパスを明確にすることで、従業員のモチベーションを維持・向上することができます。
何をどれくらいできればといった評価基準や、昇格までの道順を明確にすることで、将来像を想像しやすくなります。そのため、将来に不安を抱くことなく安定して働くことができ、モチベーションや生産性の向上に繋がるのです。
外国人雇用までの7つの手順
外国人を雇用するには、求人募集から雇用まで、大きく7つの手順を辿ります。外国人雇用までの7つの手順についてそれぞれ詳しくみていきましょう。
外国人労働者の雇用労務責任者の選定
外国人労働者を常時10人以上雇用する場合、外国人労働者雇用労務責任者の選定が義務付けられています。主に、人事課長や労務課長などが選任され、外国人労働者の雇用や労働条件などに関する管理、外国人雇用に関係する出入国在留管理局などの行政機関との連絡など、外国人雇用の雇用労務管理を行います。
外国人受け入れ体制の整備
外国人を雇用をする上で、外国人の受け入れ体制の整備は非常に重要です。
外国人労働者のすべてが日本語が分かる・話せるわけではありません。仮に日本語が話せたとしてもすべてを理解しているとは限らないため、現場の張り紙やマニュアルに、英語や中国語、雇用しようとしている外国人の母国語などを使用し、新しいマニュアルを作成します。
また、給料や休日などの労働条件やルールを理解してもらうためや、悩みごとの相談などを行うためにも定期的な面談の機会を設けるようにしましょう。
さらには、異なる文化の受け入れや多様化を目指し、外国人労働者にとって働きやすいよう、宗教的な習慣に使う設備や休暇制度などの整備を行うことで、企業への定着率の向上に繫がります。
求人を出す
受入れ体制が整ったら、実際に求人を出します。外国人雇用における求人には、大きく5つの方法があります。
①ハローワークなどの公的機関の活用
ハローワークや外国人雇用センターなどの公的機関に求人を出し募集します。
厚生労働省が提供する『外国人雇用サービスセンター一覧』を参考に外国人雇用サービスセンターを探してみてください。
②求人広告や自社のホームページの活用
リクナビNEXTやインディードなどの求人サイトや外国人専門求人サイト、日系新聞や雑誌、外国語ポータルサイトなどの広告媒体で求人を出します。海外進出している求人サイトでは、採用情報の発信や、気になる人材に直スカウトすることができます。
③大学や語学学校からの斡旋
専門学校や大学、語学学校では、外国人留学生の就職活動をサポートしている学校も少なくありません。そのため、そのような教育機関とコンタクトをとり、求人を出したり、インターン生を募集して実施に働いてもらうことで、就職にもつなげることができます。
④外国人人材派遣・紹介会社の利用
現在では、外国人労働者の人材派遣や紹介を行っている人材派遣・紹介会社が増加しています。人材派遣・紹介会社を利用する場合、求人を出して募集をかけるのに必要な実務や広告費を人材派遣会社が担当するため、外国人雇用までの工数と費用を減らすことができます。
また、契約によっては、在留資格の申請・変更や、各行政機関への手続きも行ってくれる場合があるため、大幅に工数を減らせる可能性もあるため、外国人雇用が初めての場合におすすめです。
⑤SNSの活用
近年では、SNSを活用したリクルーティング活動が活発になっています。
パーソナル総合研究所の調査『留学生の就職活動と入社後の実態に関する調査結果』によると、留学生が就職活動で活用した情報源ランキングにて「企業のSNS公式アカウント」が第2位にランクイン。多くの外国人がSNSを活用して、企業の情報を収集していることが分かります。特に海外に住んでいる外国人は、インターネット検索では日本の求人情報が少ないため、SNSをより重宝していることが多いです。
また、SNSを活用したリクルーティングでは、費用がほとんどかからないことも大きなメリットです。
在留資格の確認と就労ビザが取得可能かどうか
日本にいる外国人を雇用する場合、在留資格の確認が必要です。外国人雇用には、「日本にいる外国人を雇用する場合」と「海外から日本に呼び寄せる場合」の2つのパターンがあります。それぞれのパターンで在留資格の確認方法が異なります。
①日本にいる外国人を雇用する場合
既に日本に在留中の外国人を雇用する場合には、外国人が持っている在留資格の確認を行います。確認事項は、以下の3点です。
- 既に就労ビザを持っている場合、在留資格が自社の業種や従事する業務の対象に含まれているか
- 在留資格の期限
- アルバイトを雇用する場合、「資格外活動許可」を取得されているかどうか
②海外にいる外国人を日本に呼び寄せる場合
海外にいる外国人を日本に呼び寄せる場合は、外国人の学歴や実務経験が自社の職種に合致する必要があります。大学や専門学校で学んだことが活かされる職種であれば、就労ビザの取得が許可されますが、関係のない職種であれば就労ビザ申請を拒否されてしまいます。
就労ビザの取得には、以下の確認が必要です。
- 学歴が自社の職種に合致しているかどうか(卒業証明書・成績証明書)
- 自社の職種における実務経験が10年以上あるかどうか(在職証明書・職種に従事していたことが分かる資料)
※通訳・語学関連の職種は実務経験が3年以上
面接
面接時には、在留カードの内容の確認を必ず行います。不法就労にならないよう、氏名・生年月日・在留資格・写真・在留期限・就労制限の有無・資格外活動許可を行い、本人確認と就労可能かどうか、偽造カードでないかを確認します。
また、面接時は、日本語能力の確認も必要です。採用後に、業務に支障をきたすことなくコミュニケーションが図れるか、読み書きができるかどうかを確認します。
日本語能力の確認には、筆記試験が有効です。実際に業務で使用する書類に記入してもらうなど、実務に近い形式で行うことで採用後のイメージがしやすくなります。
雇用契約書の作成
雇用契約書の内容については、日本人と同様で問題ありませんが、外国人が内容を十分理解できるよう外国人の母国語で作成します。
雇用契約後に外国人への配布が義務図けられている労働条件通知書については、厚生労働省によるテンプレートが公開されています。ぜひ参考にしてみてください。
雇用契約書は、就労ビザ申請に必要になるため、就労ビザ申請を行う前に必ず作成しましょう。
就労ビザの申請
雇用契約が成立後、就労ビザの申請を行います。就労ビザの取得には、3パターンがあり、以下の通りです。
①外国人が海外にいて就労ビザを持っていない場合
- 受け入れ企業は「在留資格認定証明書」を出入国在留管理局にて発行
- 海外にいる外国人に送付
- 外国人は現地日本大使館にて就労ビザを申請
外国人は、在留資格証明書が発行されてから3ヶ月以内に入国しなければいけないため、注意が必要です。
②日本に在留中の外国人で就労ビザを持っていない場合(就労ビザ以外のビザを持っている)
就労ビザ以外の在留資格を持っている外国人の場合には、出入国在留管理局にて、在留資格の変更申請が必要です。
③就労ビザを持っている場合
外国人が就労ビザを既に持っている場合、出入国在留管理局にて就労資格証明書交付申請を行い、その就労ビザで引き続き就労が可能かどうか確認します。
外国人が入社後に企業がやるべきこと
外国人が入社した後、受け入れ企業は必要な手続きや届け出を行います。
以下では、外国人の入社後に企業がやるべきことについてについて解説します。
外国人雇用状況の届出
平成19年10月1日から、外国人を雇用・離職したすべての企業は「外国人雇用状況の届出」の提出が義務付けられました。
該当外国人の氏名・在留資格・在留期限等を確認し、決められた期限以内にハローワークに提出しなければいけません。もし仮に、提出を怠った場合には、30万円以下の罰金が科せられてしまいます。
なお、電子申請も可能です。
【参考】「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!
各種社会保険への加入
外国人労働者が常用雇用・正社員に該当する場合は、日本人と同様に健康保険・厚生年金保険などの各種社会保険への加入手続きを行います。
受入れ企業は、外国人を雇用してから14日以内に、「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出します。
なお、外国人雇用状況の届出と同様、電子申請も可能です。
まとめ
外国人雇用には、雇用労務責任者の選定から就労ビザ申請まで、少なくとも7つの手順を踏み、入社後も、日本人同様、社会保険の加入手続きや外国人雇用状況の届出を行います。
外国人雇用を考える際は、「なぜ外国人雇用を行うのか」目的を明確にすることが大切です。外国人や日本人従業員と共によりよい職場づくりを目指しましょう。
株式会社ケイエスケイでは、外国人労働者紹介事業を行なっております。
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外国人労働者紹介事業
参考:https://www.google.co.jp/amp/s/mag.jws-japan.or.jp/hint/employ/gaikokuzin-koyou-2/%3ftype=AMP
https://www.google.co.jp/amp/s/global-hr.lift-group.co.jp/75%3fhs_amp=true