2021.05.24 フィリピン人採用外国人採用ノウハウ特定技能
特定技能「介護」が人気の理由とは?他の在留資格との比較
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様々な職で人手不足が深刻化する日本において、2019年4月に在留資格である「特定技能」が定められました。
特定技能は14種類あり、その中でも介護分野の受入れ人数が一番多く、最も人気があります。
では、なぜ14種類ある特定技能の中で、「介護」が人気なのでしょうか?
人気の理由とその他3つの在留資格の特徴を比較し解説していきましょう。
特定技能「介護」とは?
特定技能「介護」は、日本の介護分野における人手不足を解消するために制定された、就労を目的とした在留資格の一つです。
大きな特徴としては、通算5年まで就労することができ、業務の制限が少ないので様々な業務に従事できることができます。
特定技能「介護」では、身体介護に付随する支援的業務を行います。
具体的には、入浴や食事、衣類の着脱、移動の介助などが支援的介護に当たります。
しかし、訪問系サービスに従事することはできません。
訪問系サービスが行えなくとも、その他様々な業務に従事することができるので、雇用側にとっても外国人就労者とっても大きなメリットです。
特定技能「介護」に必要な試験
特定技能「介護」では、介護福祉士の免許は必要ありません。
しかし、特定技能「介護」の在留資格を獲得するには、「介護技能評価試験」と「日本語能力試験(2種類)」の2つの試験に合格する必要があります。
「日本語能力試験」は2つに分かれ、「日本語能力試験(N4級以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト」のどちらかの合格と「介護日本語評価試験」の合格が必須条件です。
技能試験・日本語試験ともに筆記試験で行われますが、「介護日本語評価試験」においてはCBT試験で行われます。介護の声がけや文書など、介護業務に従事するために必要最低限の日本語が試験水準として定められています。
なお、以下に該当する方は、技能試験・日本語試験の免除対象となります。
- EPA介護福祉士候補として在留期間満了の方
- 「介護福祉養成施設」を修了した方
- 介護分野の第2号技能実習を修了した方
受け入れ上限は?
特定技能「介護」は、事業所単位で日本人などの常勤介護職員の総人数よりも多く雇用することができません。
つまり、特定技能「介護」を持つ外国人だけで勤務メンバーを構成するのはもちろん、常勤介護職員より一人も多く雇用することができないので、注意が必要です。
特定技能「介護」とその他の在留資格との比較【比較表】
介護職員として外国人労働者を雇う場合、4つの在留資格があります。
以下では、特定技能「介護」とその他3つの在留資格それぞれの特徴をまとめました。
特定技能「介護」 | 在留資格「介護」 | 技能実習「介護」 | 特定活動(EPA) | |
---|---|---|---|---|
目的 | 就労 | 就労 | 実習 | 資格取得 |
管理機関 | ・登録支援機関 ・特定技能所属機関(受け入れ企業) |
・受け入れ企業 | ・受け入れ企業 ・事業協同組合や商工会議所等の非営利団体 |
・各国の送り出し企業 ・受け入れ企業 |
業務制限 | 制限あり | 無制限 | 制限あり | 制限あり |
在留期間 | 上限5年 | 無制限 | 最長5年 ・技能実習1号:1年以内 ・技能実習2号:2年以内 ・技能実習3号:2年以内 |
介護福祉士候補:最長4年 (合格後は無制限) |
日本語能力 | N4以上 | N2以上 | N4以上 | N5以上 |
受け入れ制限 | 常勤介護職員の人数を超えないこと | 制限なし | 常勤介護職員の人数に応じて変化 | 原則1か国に2名以上5名以下 |
講習 | 来日前:8時間 来日後:3時間 |
来日前:原則6ヶ月 来日後:原則6ヶ月 実務研修450時間以上 |
来日前:原則1ヶ月以上 来日後:原則2か月 |
来日前:原則6ヶ月 |
メリット | ・在留期間が長い ・定期報告・面談を3ヶ月1回行う ・講習が数時間で終わる |
・長期的な人材確保が可能 ・日本語力が高い ・介護に関する知識が豊富 |
・浸透してきている制度であるため採用がしやすい ・意欲的な外国人が入社することで社内が活性化する |
・日本語力が優れている ・介護福祉士の資格を取得すると永続的に就労できる |
デメリット | ・訪問系サービスに従事することができない ・登録支援団体への管理費用が発生する(自社内製化できない場合) |
・母数が少ない分ため、採用が難しい |
・何も知らない状態から教育するため、スムーズに業務を遂行するまでに時間がかかる |
・日本全体で受け入れ人数が決まっており、母数が少ないため、採用が難しい ・研修期間が長い |
在留資格「介護」
在留資格「介護」は2017年9月に制定され、介護福祉士養成学校を卒業後、「介護福祉士」の国家試験に受かることで得られる在留資格です。
在留期間、業務共に制限がなく、更新し続けることで永続的に在留することが可能です。
特定技能「介護」とは異なり、訪問サービスへ従事することができます。
しかし、国家試験を受けるためには高い日本語脳力が求められ、かつ多額の費用がかかります。そのため取得できる外国人が少なく、採用が難しいことが大きなデメリットです。
技能実習「介護」
技能実習「介護」は、日本で開発された技術を発展途上国へ移転することで、発展途上国の経済成長を図るための人材育成に協力することを目的として制定された在留資格です。
日本に最長5年間在留することができます。
1年目は「技能実習1号」、2〜3年は「技能実習2号」、3〜5年は「技能実習3号」とされており、特定技能「介護」同様、訪問サービスへの従事が禁止されています。
技能実習「介護」は、在留資格の中で最も採用しやすいという反面、知識や経験がない状態から育成しなければならないというデメリットがあります。
そのため、スムーズに乗務を遂行できるまで長い時間が必要です。
特定活動(EPA)
特定活動は、EPA(経済連携協定)に基づく在留資格です。送り出し先は、フィリピン・ベトナム・インドネシアの3国に限定されており、日本全体でみても「特定活動」の母数は少ない傾向にあります。
「特定活動」では、国家資格である「介護福祉士」の取得が目的であり、定められた期間内に介護福祉士の資格を取得できない場合は帰国しなければいけません。
資格取得後は在留資格「介護」として在留することができ、更新する限り永続的な就労が可能です。
介護保険3施設、認知症グループホーム、特定施設、通所介護、通所リハビリテーション、認知症デイサービスにおける業務に従事することができますが、特定技能「介護」同様、訪問サービスには従事することができません。
特定技能「介護」が人気の理由
4つの在留資格のそれぞれの特徴とメリットデメリットを比較した上で、特定技能「介護」が人気な理由は以下の通りです。
- 介護業務を行うために必要な最低限の知識と日本語力がある
- 業務制限が少なく、幅広い業務に従事できる
- 介護施設新設3年未満でも雇用できる
- 監理団体への報告・面接に回数が比較的少ない
- 在留期間の上限が長く、長期的な人材の確保ができる
特定技能「介護」は、他3つの在留資格と比べると、資格取得にかかる工数、時間ともに負担が少なく、従事できる業務も幅広いことが人気である大きな理由です。
雇用側にも外国人労働者側にもメリットが多い制度なのです。
特定技能「介護」の現状
特定技能「介護」は、特定技能14分野の中で最も受け入れが進んでいる分野です。2020年9月時点での受け入れ人数は343人でした。
日本では、各都道府県にあるプロメトリック会場にて、ほぼ毎日試験が実施されています。
また、海外の試験会場、特にフィリピンでは最も多く試験が行われており、合格者も多い傾向があります。
とはいえ、合格者の数に対して受け入れ人数が未だ少なく、まだまだ最大限に受け入れが進んでいないのが現状です。
まとめ
介護分野において特定技能は、他の在留資格と比べて多くのメリットがあります。
資格取得にかかる工数や時間の負担が比較的少なく、介護に関する知識と日本語能力を持った、長期的に安定した人材を確保できることが人気である大きな理由です。
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